金融庁 NISA制度の効果を検証
「長期・積立・分散」の定着を確認
2025/10/29更新
金融庁の「NISAに関する有識者会議」はこのほど中間とりまとめを公表した。これは、2024年に抜本的に拡充されたNISA(少額投資非課税制度)の効果を検証し、家計の安定的な資産形成促進という政策目的が実現されているか、その利用実態に基づき検討するもの。
文書によると、NISA口座の開設数や買付額は大幅に増加し、特に若年層の利用が拡大しており、さらに、日本証券業協会の調査では年収500万円未満の層が利用者の約7割を占め、中間層を中心とする幅広い層に浸透していることが確認された。また、非売却率や継続保有率が高水準にあることから、長期的な資産形成を志向する姿勢が一定程度根付いていると評価された。もっとも、制度開始から1年余りであり、効果を断定するのは時期尚早であるとされ、今後も世代や所得階層ごとの利用動向や、利用しない層の理由などを継続的に検証する必要があると整理された。
制度の改善点については、つみたて投資枠の対象株式指数の選定基準を精緻化することが提示された。従来の「マーケット全体を広くカバーし、既に市場関係者に浸透している指数」を基本としつつ、セクター分散や透明性・算出継続性の確保を重視する方針が明確化されている。さらに、地域別指数の単独利用や、株式に比べリスクが低く安定的なキャッシュフローが期待できる資産を対象とする商品の導入など、多様な投資ニーズへの対応も検討課題として提示された。






