飲食店の倒産、上半期で過去最多
2025年、通年では900件超も視野
2025/8/20更新
帝国データバンクはこのほど「飲食店の倒産動向」の調査結果を公表した。これによると、2025年上半期(1〜6月)における飲食店の倒産件数は458件となり、前年同期(435件)を上回って3年連続の増加となった。年上半期としては過去最多で、現在のペースが続けば、通年で初めて900件台に到達する可能性もある。
飲食業界では、コロナ禍からの回復が道半ばにあるなか、食材費や人件費、光熱費といった運営コストの高騰が重くのしかかっており、とりわけ中小・零細規模の店舗を中心に収益の確保が困難となっている。
今回の調査では、特定業態における倒産の増減も明らかになっている。例えば、最も倒産件数が多かったのは「酒場・ビヤホール」(105件)で、前年同期比で6.3%減少している。一方で「中華・東洋料理店」は88件(前年同期比 +12.8%)と増加し、なかでも「日本料理店」の倒産件数は46件と、前年同期の30件から53.3%増という急増ぶりを示した。こうした業態では、団体客の減少や接待需要の低下に加え、若年層の取り込みを狙ったメニュー改定が既存顧客とのギャップを生むなど、経営の舵取りが一層難しくなっている。
また、「物価高」が直接の倒産要因として判明したケースは50件にのぼり、飲食店全体の約1割を占めている。これは前年までと比べても顕著に高く、今後さらにこの比率が高まる可能性も指摘されている。