中小製造業の設備投資
2024年度は前年比8.4%増に回復
2025/9/10更新
日本政策金融公庫はこのほど、中小製造業設備資動向調査の結果(2024年度実績)を公表した。
同調査によれば、2024年度の国内設備投資額は前年比8.4%増の3兆421億円となり、2023年度の減少傾向から一転して増加に転じた。
業種別に見ると、2024年度は17業種中12業種で投資が増加し、とりわけ木材・木製品(45.0%増)や繊維製品(41.3%増)、業務用機械(42.6%増)などの伸びが顕著であった。
投資の内容別では、「土地」への投資が前年比21.7%増と最も高い伸びを示し、「建物・構築物」は19.5%増、「機械・装置」も3.0%増と堅調であった。一方で、「船舶・車両・備品等」は2.5%の減少となった。
投資の目的では、「更新、維持・補修」が37.2%と最大を占め、次いで「能力拡充」(25.1%)、「新製品・新規事業・研究開発」(16.8%)が続いた。「省力化・合理化」も13.3%と一定の存在感を示しており、人手不足や生産効率向上への対応が意識されていることがうかがえる。
総じて、2024年度の中小製造業における設備投資は、前年の停滞からの回復傾向を示しており、とくに特定業種においては積極的な投資姿勢が見られた。一方で、投資の多くが「更新」や「維持」に向けられており、慎重な姿勢も同時に継続されている。